大河ドラマ「光る君へ」に合わせ企画。2024年10月18日~20日、宇治を出発し越前へ到着。
紫式部が暮らした福井県越前市の情報発信、文化振興などに取り組む官民組織「紫式部プロジェクト推進協議会」(会長:越前市長)と越前市は、紫式部が京の都から越前国府(現越前市)に赴いた旅を再現する「紫式部の旅」を、宇治市の宇治上神社を出発地に実施しました。2024年10月18日(金)から20日(日)にかけ、終着地の越前市まで、平安衣装を身にまとった参加者が、旅の行列や儀式を忠実に再現しました。
大河ドラマ「光る君へ」(NHK)の放送に合わせて企画しました。紫式部は996年、越前国の国司となった父・藤原為時に同行し、1年余りを越前市で過ごしました。 生涯でただ一度、都を離れた越前での暮らしは、旅の道中での自然等との出会いも含め、才能ある紫式部の感性をさらに豊かにしました。このことが源氏物語を執筆する原動力になったと考えられています。
行列参加者は、公募などで集まった計117人。全国から389人の応募があり、志望動機などで選考を行いました。9月以降、衣装合わせやセリフの練習会を行って準備してきました。
今回の旅では、源氏物語の「宇治十帖」の舞台となった宇治上神社のほか、大津市の石山寺、福井県敦賀市の氣比神宮、南越前町の鹿蒜(かひる)神社や今庄宿など、紫式部や源氏物語のゆかりの地を順に巡り、メンバーを入れ替えながら計6カ所で行列や儀式を再現しました。
18日午前、宇治上神社を藤原為時邸とみたて、「出立の儀」を行い、色鮮やかな平安装束をまとった33人が宇治川沿いの約700メートルをゆっくりと歩きました。
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午後は大津市に舞台を移し、紫式部が源氏物語を起筆したといわれる石山寺を35人で参詣し、境内を練り歩きました。琵琶湖畔では「船出の儀」を執り行い、為時の口上に続き、手こぎの舟2艘で沖に出て、湖面に切り幣(ぬさ)をまいて安全を祈願しました。
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19日に越前国へ入りました。敦賀市の氣比神宮では39人が列をなして参拝し、新しい国司を迎える「境迎えの儀」を行いました。南越前町では、鹿蒜神社への参詣儀式を行いました。
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20日、ついに終着地の越前市へ。総社大神宮から市役所までの大通り約300メートルを約40人が練り歩きました。隊列を先導する前駆に続き、為時や輿に乗った紫式部、侍女、陰陽師などが列をつくり、平安絵巻を繰り広げました。為時役は、パリ五輪フェンシング男子エペ団体で銀メダルを獲得した見延和靖選手(越前市出身)が務め、馬に乗って気品高い貴族を演じました。
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為時が国司に就く「着任の儀」を国庁に見立てた舞台上で行い、為時が国印などを受け取りました。紫式部は、和歌に詠んだ日野山を目にして雪景色を想像する場面を演じました。
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各地の境内や沿道は、多くの市民や見学ツアー客でにぎわいました。越前市では、市民らのパレードも行列に先立って行い、市民一体となって盛り上げました。1000年以上前の行列や儀式を忠実に再現した「紫式部の旅」。今後も、歴史深い越前市の魅力を、1000年先の未来を見据えて発信していきます。