-エンジンなど500℃以下の排熱を電力へ効率的に変換-
2024年10月4日
東京都立産業技術研究センター 工場や自動車等の排熱を電力に変換できる熱電材料が省エネ技術として注目されています。一方、従来の熱電材料は有害元素を含むなどの課題を抱えていました。
都産技研(地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター)は、温度差を電力に変換する『熱電材料』について、優れた熱電特性を有し、有害元素を含まないp型リン系熱電材料を開発しました。さらに、信頼性のあるデバイス駆動に重要な機械特性と熱膨張特性が優れていることも見い出しました。排熱回収に関する本成果を活用して、エネルギー問題の解決やGXの実現を目指します。
開発のポイント
◆有害元素を含まないリン系熱電材料で熱電性能の大幅な向上に成功。温度差を電力に変換する熱電性能の指標となるZT(無次元性能指数)> 1を、リン系材料において世界で初めて達成。
◆熱サイクルにより生じる熱応力や膨張収縮に耐えうる優れた機械特性と熱膨張特性を実現。
◆優れた特性から、工場や自動車の排熱を利用した発電、IoTセンサ用自立電源への展開に期待。
◆実用化に必要となる熱電デバイス作製において、ペアとなるn型熱電材料と金属電極の候補を提案。
【画像:
https://kyodonewsprwire.jp/img/202409307338-O6-5RU5uxGc】
論文誌名:ACS Applied Materials & Interfaces
掲載日:2024年9月30日(オンライン速報版)
論文タイトル:Achieving ZT > 1 in Cu and Ga Co-doped Ag6Ge10P12 with Superior Mechanical Performance and Its Fundamental Physical Properties toward Practical Thermoelectric Device Applications
著者:並木宏允*、小林真大、西川康博、宮宅ゆみ子、佐々木正史、立花直樹 *責任著者
DOI:
https://doi.org/10.1021/acsami.4c12963特許出願済: 特開2022-072560
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